またおひとり、ジオトリフ併用で、脳転移のあった肺ガンの方が治りました。30代の女性。
この記事を書こうと思い、1年半以上前の初回のメールを読み返してみると、
「肺腺癌ステージ4で余命1年程と宣告されました」
とありました。
若い女性にたいして、ずいぶん厳しい宣告があったものですが、ジオトリフなどの治療を何も受けなければそうなってしまうよという、警告をこめてのものだったのかもしれません。
その後、初回の施術を終えたあとの感想として、
「朝起きてから、頭がすっきりしております」
「鏡をみたら顔(特に鼻とあご)の赤みが引いておりました」
といったメールもありました。
施術を受ける前は頭が重く、痛みも出ていたそうですが、そういったものはすぐに解消できたようです。顔の赤みというのはジオトリフの副作用でしょう。それもおちついたみたいです。
MRIの画像を見てみると、痛みが出ているわりには脳の腫瘍は小さなものでした。
だいたいあるていど高齢の方の場合、脳の萎縮が起きておりすき間ができている状態なので、脳腫瘍ができてもけっこう大きくなるまではそうした症状は出ないものではありますが、彼女の場合は若くて脳が頭蓋にぎっしりなので、まだ腫瘍は小さいのに頭重や痛みまで出ていたわけなのでしょう。
余命宣告までされていて危機感があったためでしょうか、週3回受診されることをご希望されました。
1か月後検査があり、縮小していることが確認でき、とても安堵されたようだったのが印象に残ってます。
2か月後のメールでは、まだ呼吸すると違和感があるとの記述がありますが、これが肺についての最後の自覚症状だったかもしれません。これもやがて急速に改善していきました。
その後半年くらいあとの検査画像では、肺はもうすっかりきれいになっているようでした。いちばん最初のサイズは確認してませんが、肺のはけっこう大きかったと記憶してるのですが、それがきれいに消えていったというのはやはりジオトリフの効きめでしょう。
経過はたいへん順調に推移していたのですが、いささか勇み足がありました。
この患者さん、ジオトリフがいやでしょうがなかったようです。顔には変なデキモノができるし、手足の爪のあたりが変になるしというわけで。
それで、施術を受けはじめて半年ちょっとで、検査画像でほとんどガンは消えたと感じられたため、ジオトリフを飲むのをやめてしまいました。
しかし、まだちょっと早かったのかもしれません。
さらに半年後の検査で、以前あって薄くなっていた脳腫瘍は消えたものの、新たなものができたとのことでした。肺のほうは何もなし。
で、ジオトリフをやめていたと打ち明けたらこっぴどく怒られたとのこと。でも、それについても、
「ガンマナイフで消そうとお医者さんが脅かすんですよ。ガンマナイフは絶対いやだ」
というのが彼女の思いでした。
ガンマナイフやられるよりはジオトリフを飲んだ方がいいというわけで、しかたなくまた服用を再開されました。
ジオトリフは、まだ効いているうちにやめたほうが、万一再発した場合また飲んで効かせることができるからいいのではないかというのが私の感覚でもあります。
そういう感覚はあっても、やめたり再開したりというのは患者さんご自身の判断にはなりますが。
お医者さんとしては、ずっと飲み続けろと言うのでしょうが、それではジオトリフがバカになって効かなくなったらあとの分子標的薬はタグリッソしかなくなってしまいます。過去に当院へいらした患者さんの服用経緯から、タグリッソは効く人効かない人がはっきりするような印象があり、効かなければ先の行き場が少なくなってしまいます。
結局この方の場合はそのあと20ミリの弱いのに変えてもらって、それを半年近く飲み続け、今回新たな脳腫瘍も消えていることが確認できたというわけです。
スポンサーサイト
コメント